YouTubeの収益化停止の種類
収益化停止は3パターンに分けられます。
チャンネル全体の収益化停止(剥奪)
最も深刻なケースです。これは、あなたのチャンネルが「YouTube パートナー プログラム (YPP)」の参加資格を失ったこと(プログラムから除外されたこと)を意味します。この状態になると、すべての動画から収益が上がらなくなるだけでなく、スーパーチャットやメンバーシップなどの機能もすべて利用できなくなります。通常、30日後または90日後に「再申請」の権利が与えられます。
動画単位での収益化制限(黄マーク)
チャンネルの収益化は有効なまま、特定の動画だけが「広告主に適していない」と判断された状態です。YouTube Studioの収益化アイコンが緑の「$」ではなく、黄色の「$」マークになります。これは、動画の内容が広告掲載のガイドラインに違反している(例:暴力的、下品な言葉遣い、デリケートな時事問題など)場合に起こります。収益がゼロになるか、大幅に減少します。
AdSense アカウントの無効化
YouTubeチャンネル自体に問題がなくても、収益を受け取るための「Google AdSense」のアカウントが無効化されるケースです。原因としては、「不正なクリック(自己クリックなど)」「住所確認(PIN)の未完了」「アカウントの重複」などが考えられます。AdSenseが無効になると、YouTubeで収益が発生しても受け取ることができなくなります。
YouTubeで収益化停止になる原因
収益化停止になる原因をまとめました。
再利用されたコンテンツ
収益化停止の理由として最も多いのがこの「再利用されたコンテンツ」です。 これは、「他人のコンテンツをそのまま、あるいは最小限の変更で利用しており、あなた独自の価値(解説、批評、教育的な付加価値)が十分に加えられていない」と判断されることです。
【具体的なNG例】
・テレビ番組やアニメ、他人の YouTube 動画の「単なる切り抜き」
・BGM を流すだけで、ナレーションや解説が一切ない「文字だけが流れる動画(テキスト動画)」
・ゲーム実況動画(自分の声やリアクション、解説が一切入っていないもの)
・フリー素材の映像や音楽を組み合わせただけのスライドショー
コミュニティガイドラインの違反
コミュニティガイドラインに違反すると「警告(ストライク)」を受けます。警告が蓄積すると収益化停止、さらにはチャンネル停止(BAN)に至ります。
【主な違反例】
・ヘイトスピーチ、差別的なコンテンツ
・視聴者に危害を加える可能性のある「危険なチャレンジ」や、薬物の助長
・ハラスメント、いじめ
・過度なヌードや性的なコンテンツ
・スパム、詐欺的な行為(例:「このリンクをクリックすれば儲かる」といった誘導)
著作権の侵害
他人が権利を持つ音楽(BGM)、映像、画像などを無断で使用した場合です。
【著作権侵害の警告(ストライク)】
権利者からの申し立てにより、動画が強制的に削除されます。この警告が90日以内に3回蓄積されると、チャンネルは永久に停止されます。
【Content IDの申し立て】
警告とは異なり、動画は削除されませんが、その動画で発生した広告収益がすべて権利者に渡ります。これが多発することも、チャンネルの評価に悪影響を与える可能性があります。
AdSense アカウントの問題
チャンネル自体は健全でも、AdSenseの手続き不備で収益化が停止することがあります。
【不正なトラフィック(無効な操作)】
自分で自分の広告を何度もクリックする、友人にクリックを依頼するなどの行為。これは最も重い違反の一つで、AdSense アカウントが永久停止される可能性があります。
【住所確認(PIN)の未完了】
収益が基準額(10ドル相当)に達すると郵送されるPINコードを、期限までに入力していない。
【AdSense アカウントの重複】
AdSense は1人1アカウントが原則です。過去にブログなどで作成したことを忘れ、重複して申請すると停止されます。
【税務情報の未提出】
米国の税務情報を提出していない場合も支払いが停止される原因となります。
6ヶ月以上の活動停止
まれなケースですが、YouTube パートナー プログラムに参加しているチャンネルが、6ヶ月以上にわたって動画のアップロードやコミュニティ投稿を行わなかった場合、YouTube の裁量により収益化(YPP)の資格が取り消されることがあります。
YouTubeで収益化停止になったときの対処法
収益化停止になったときの対処法をお伝えします。
ステップ1:原因の特定
なぜ停止されたのか原因を特定しましょう。
【メールの確認】
Google (YouTube) から「YouTube パートナープログラムに関する重要なお知らせ」といった件名のメールが届いていないか、Gmail などを確認しましょう。
【YouTube Studioの確認】
PC で YouTube Studioにログインし、左側メニューの「収益受け取り」タブを開きます。そこに、停止の理由(例:「再利用されたコンテンツが検出されました」など)と、次に取るべきアクション(例:「〇月〇日以降に再申請可能です」)が記載されています。
ステップ2:チャンネルの修正対応
特定した原因に基づき、チャンネル内の問題点を修正します。この修正が不十分だと、再申請してもまた不合格になります。
【「再利用されたコンテンツ」が原因の場合】
・疑わしい動画(切り抜き、無言のゲーム実況、文字だけ動画など)を削除します。「非公開」や「限定公開」では不十分です。
・チャンネルの概要欄や説明文も見直し、チャンネルの独自性やテーマを明確にします。
・動画を削除するだけでなく、今後は「独自の価値(ナレーション、解説、批評、顔出しなど)」を加えた新しい動画をいくつか投稿し、チャンネルが改善されたことをアピールします。
【「ガイドライン/著作権違反」が原因の場合】
・違反警告を受けた動画を削除します。
・警告には有効期限(通常90日)があるため、期限が切れて警告が消えるのを待つ必要がある場合もあります。
・今後同じ違反をしないよう、ガイドラインを読み直します。
【AdSenseが原因の場合】
・AdSense アカウントにログインします。「PIN が未入力です」「税務情報をご提出ください」などの警告通知に従い、必要な手続き(PIN の入力、税務情報の提出、重複アカウントの解消など)を行います。
ステップ3:「再申請」または「異議申し立て」
チャンネルの修正が完了したら、次のアクションに移ります。
【再申請】
「収益受け取り」タブに表示されている「再申請」が可能になる日(通常、停止から30日後)を待ちます。 30日間でチャンネルをクリーンにし、改善した状態で「再申請」ボタンを押します。審査には数日〜数週間かかります。
【異議申し立て】
これは、「自分は一切違反しておらず、YouTube 側の判断が明らかに間違っている」と確信できる場合のみに使う手段です。 「再利用されたコンテンツ」で停止された場合、チャンネルが改善されたことを証明する「動画」を作成し、異議申し立てを行うことができます。ただし、修正が不十分なままこれを行っても、却下される可能性が高いです。
YouTubeで収益化停止のよくある質問
警告なしでいきなり収益化停止されました。
「再利用されたコンテンツ」や「AdSense アカウントの問題」は、事前の警告なしに、いきなり収益化停止(剥奪)となるケースが一般的です。これは「警告」ではなく「プログラムの参加基準を満たしていない」という判断だからです。
ショート動画でも収益化停止はありえますか?
はい、長尺動画と全く同じ基準で収益化停止になります。 「ショート動画だから大丈夫」ということはありません。他人のTikTokやInstagramの動画を無断転載(ロゴが入ったままなど)している場合は、典型的な「再利用されたコンテンツ」として停止対象になります。また、著作権で保護されたBGMを不適切に使用した場合も同様です。
まとめ
以上です。